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アーカイブの読み方

このサイトは、ハードウェア MIDI 音源の測定結果を収めたアーカイブ soundings を、読みやすく組み直して文書化したものです。アーカイブ側は測定段階ごと(記録を書いたコマンドごとに 1 ディレクトリ)にまとまっています。作業がその順序で進むからです。一方、読む側はアドレスを手に持って来ます。そこでこのサイトは、同じ記録を逆向きに切り直しています。アドレス 1 つにつき 1 ページ、そのアドレスに触れたすべての段階から集めた形です。

その過程で足したものはありません。どのページのどの数値も、アーカイブのいずれかのファイルから出てきたもので、どのファイルから来たかは各ページに書いてあります。

ここでいう「測定」とは

アーカイブが記録するのは、1 台の個体が、1 つの測定経路で、ある日に何をしたかです。仕様書を書き写すことはせず、一般化もしません。ここから 3 つの帰結が出てきて、それがこのサイトのすべてのページの形を決めています。

アドレスに名前はありません。 40 11 30 に「ビブラートレート」というラベルは付いていません。そのラベルは実機ではなく文書から来るものだからです。このサイトが言えるのは、測定したことだけです。NRPN がここに書き込まれると分かっていること、00 から 7F を受け付けること、その両端で打鍵した音が違って聞こえたこと。

欠落は否定ではありません。 アーカイブが何も持っていないアドレスは、まだ測定が届いていないアドレスです。サイトはそれを「未計測」と表示します。0 でも空欄でもありませんし、機体に存在しないという意味でもありません。この区別がいちばん効くのは、測定が途中で止まった場所です。40 40 00 は応答し、その後の 4 つも応答し、そこで機体は応答を返さなくなりました。つまりアーカイブがそのブロックについて持っているのは、途中で止まった測定の記録であって、そこで終わるブロックの記録ではありません。

判定は個体に属します。 roland-sc8850-01 は 1 台の SC-8850 であり、その個体自身の記録で識別しています。同じ型番の別の個体は違うかもしれませんし、そうではないと述べているものは、ここには 1 つもありません。

4 つの状態

このサイトで色が持つ意味はちょうど 4 つで、5 つ目を持ち込むページはありません。

状態意味
音が変わったそのパラメータが信号経路に届いた。2 つの設定の音が、機体自身の再現誤差を超えて違って聞こえた。
変わらなかった名前を付けたテスト音で確かめたが、差は聞き取れなかった。アドレスについてと同じくらい、確かめ方についての事実として読んでください。
拒否機体がその値を受け取らなかった、または読み出しに応答しなかった。
未計測まだ問い合わせていない。アーカイブ側の欠落であり、判定と取り違えないよう中を抜いて描いています。

アドレスカードの各項目

電源投入直後の値 — 電源を入れ直した直後、読み出し要求のほかは何も送っていない状態で、そのアドレスが保持していた値です。

受け付ける値 — ライトプローブが見つけたことです。プローブは 0〜127 の全通りではなく飛び飛びの値を書き込み、そのつど読み戻します。ですから「書き込んだ 15 個のうち 5 個」という形が、いちばん正直な書き方になります。与えた 15 個のうち 5 個を機体が受け付けた、という意味です。その横の分類は 4 つのいずれかです。「受理」は値をそのまま受け取ります。「丸め」は範囲外の値を近いほうの端に引き寄せます。「範囲外は拒否」はアドレスをそのままにします。「不変」はアドレスがまったく動かなかったということで、この場合は外から見て丸めと拒否を区別できません。

隣のアドレスとの区別 — 両隣が別のアドレスなのかどうかです。読み戻す前に、一続きのアドレス群へ異なる値を与えて測ります。本物の記憶領域と窓を見分けられるのは、この方法だけです。窓は最後に与えられた値を返すので、1 アドレスずつ書いて読むやり方では、どの窓も記憶領域に見えてしまいます。

届いた MIDI メッセージ — このアドレスに届くことを実測した MIDI メッセージです。コントロールチェンジ、NRPN、システムエクスクルーシブの書き込みが、同じ 1 バイトに届くこともあります。あるアドレスがメッセージの値を保持するというのは、値がどこに置かれるかを示しているのであって、それを何かが使っているという意味ではありません。

リセット — この機体の各リセットが何を戻したかです。プローブは先に、書き込めるすべてのアドレスへ目印を書き込みます。そうすることで、リセットが手を触れなかったアドレスは、初期値ではなく目印として読めます。

音の変化 — アドレスの 2 つの設定で音が変わったかどうかです。各判定には、どのテスト音で確かめたかが必ず添えてあります。「聞こえなかった」は、パラメータについてと同じくらい、鳴らした音についての事実だからです。5 分の 1 秒で減衰する音で確かめたフィルタは、そこでは聞こえず、持続音でははっきり聞こえる、ということがあります。

専用の記憶領域を持たないブロック

SC-8850 の 12 個のブロックは、専用の記憶領域を持ちません。ここに属するアドレスは値の置き場所ではなく、読み書きすると、2 つのドラムセットアップ用ストアのうち直前にアドレス指定されたほうに届きます。

やっかいなのは、書き込みが行き先を決め、読み出しがそれに従うことです。こうしたアドレスに 7F を書いてすぐ読み戻すと 7F が返ります。つまり「記憶領域である」という検査をすべて通ってしまいます。実際に起きたのは、7F が別のブロックに入って、そこから出てきただけです。もう一方のストアに触れてから同じアドレスを読むと、そのアドレスには何も書いていないのに違う値が返ります。

サイトはそうしたブロックを、現れるところすべてで明示します。それらのブロックのアドレスについて記録が述べていることは、その先にある記憶領域についての記述です。

テスト音の名前

struckstruck_vibratounpitched といった名前は識別子であって文章ではないので、このサイトではどの言語でも翻訳しません。それぞれが何なのか——どの音を、どの強さで、どれだけ保持したか、何が見えて何が見えないか——はアーカイブに記録してあり、実機の挙動のページに併記しています。

エミュレータ

エミュレータは、この同じ測定結果だけから組み立てた、機体の MIDI 制御面のモデルです。メッセージを送ると、アーカイブが「機体はこう答えた」と記録しているとおりに答えます。うまくいかなかった答え方も含めてです。256 バイトを要求すると、電源を入れ直すまで応答しなくなります。実機がそうだったからです。

アーカイブに何もないところでは、それらしい応答を作らず「未計測」と答えます。この制約こそがエミュレータの要点です。欠落を埋めてしまうモデルは、アーカイブの信用をまとった実機についての推測になってしまいます。

測定データは CC0 1.0 · 本サイトはいかなる楽器メーカーとも提携・関連・公認の関係にありません。製品名は測定した機材を識別するために記載しています。